
名前からもわかる通り、動作に「2つ以上の関節動作」が含まれる種目を指し、それぞれの関節に関与する多くの筋肉を基本的には使っていくことになります。
そのため、主要な動作を行う主な筋肉群と、それをサポートするようにして働く副次的な筋肉群が、同時に働いて大きな力を発揮できるため、高重量の負荷を扱いやすいといった特徴を持っていたり。
コンパウンド種目では、一つの動作を高負荷のウェイトを利用して繰り返すせるため、一度に広い範囲の筋肉群を鍛えていけるといった特徴があるとも言えます。
行うトレーニングがコンパウンド種目なのかどうかを見分けるために、次のコンパウンド種目の共通項を知っておくと良いかと思います。
まず一つ目が、コンパウンド種目として認識されるトレーニング種目の系統。
・プッシュ系
・プル系
・スクワット系
・デッドリフト系
これらの4つの系統の筋トレ種目は、通常であれば2つ以上の関節動作が含まれて、多くの筋肉が関与することになるため、例外を除いてコンパウンド種目である場合がほとんど。
そしてもう一つの、コンパウンド種目に共通して見られる特徴が以下のもの。
・胸の力を使って押す筋トレ種目
→肩関節と肘関節動作が含まれる
・肩の力を使って押す筋トレ種目
→肩関節と肘関節動作が含まれる
・背中の力を使って引く筋トレ種目
→肩関節と肘関節動作が含まれる
・しゃがんで立ち上がる種目(スクワット系種目)
→膝関節・股関節・体幹動作が含まれる
・かがんだ体勢を起こす種目(デッドリフト系種目)
→股関節・体幹・膝関節動作が含まれる
これらの特徴を覚えておけば、コンパウンド種目なのかアイソレーション種目なのか迷った時にも、簡単に見分けることができるようになります。

コンパウンド種目とは逆で、動作を行う中で一つの関節動作だけを含むトレーニング種目を指し、その関節動作に関与する、一つ又は少数の筋肉だけが関与していくというのが特徴。
また、関与する筋肉が少ないため、コンパウンド種目と比較すると扱える重量も小さくなり、主なターゲットとする筋肉群には大きな刺激を入れられたとしても、他に副次的な筋肉群が関与した場合、それらの筋肉には十分な刺激が入りにくいといった傾向があります。
そのためアイソレーション種目は、一つの関節動作と、そこに紐づく筋肉を隔離(isolate:アイソレート)しながら(他の筋肉群を関与させないようにしながら)動作を繰り返していくものになり、言い換えれば、狭い範囲の筋肉群を鍛えていくトレーニング種目だと表現することができます。
アイソレーション種目かどうかを見分けるためにも、次の系統のトレーニング種目が、基本的に含まれると覚えておくのがおすすめ。
・レイズ系
・カール系
・エクステンション系
これらの系統の筋トレ種目は、通常、正しいやり方を行っていけば一つの関節動作のみを含み、少数の筋肉だけを関与させていくことになります。

そして、この点を踏まえた上で注意しておきたいのが、連日トレーニングメニューをこなす場合。主に鍛える部位は違っても、実は前日に副次的に使われていた筋肉を、その次の日に、今度は主要な筋肉群として使っている可能性があり、この場合、筋肉が疲労から回復するための十分な時間を取れないということになってしまいます。
例えば、次のようなスケジュールを組んだ場合。
・1日目:大胸筋をメインに鍛えるためにベンチプレスを行う
→上腕三頭筋が副次的に使われて疲労する
・2日目:トライセプスエクステンションで上腕三頭筋を主力筋として鍛える
→上腕三頭筋が疲労から回復していないのに負荷をかけてしまっている
このような形で、コンパウンド種目で副次的に鍛えられる筋肉をしっかりと理解していなかったことで、その筋肉が十分に回復する間もなく連日鍛えてしまう可能性があり、オーバートレーニングなどを引き起こすリスクが高くなってしまうので注意が必要。
事前に筋トレのスケジュールを立てる際は、この点を意識しながら組んでいきましょう。

これは、アイソレーション種目で一部の筋肉を疲労させてしまうと、その筋肉も動作に関与するコンパウンド種目を行おうとした場合、その疲労した筋肉のせいで、他の筋肉は疲れてないのに十分に挙上できなくなってしまうというのが理由。
例えば、先にバイセップカールを行って上腕二頭筋を疲労させてしまうと、その後にチンアップ(逆手懸垂)を行おうとしても、上腕二頭筋の疲労のせいで十分に繰り返していけなくなってしまう。
そのため、コンパウンド種目を行う必要がある場合は、基本的には先にコンパンド種目を行って、その後にアイソレーション種目を行っていくという順番で筋トレメニューを組んでいきましょう。